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琉球新報に次のような報道がありました。
25日に那覇地裁で開かれた刑事事件の初公判で、那覇地検はプロジェクター(映写機)やパソコンのプレゼンテーションソフトを用い、冒頭陳述を行った。2009年までに導入される裁判員制度を想定したもので、那覇地検では初の試み。1997年に起きた強盗殺人事件で強盗致死などの罪に問われた男性被告(45)の公判で実施された。
 この日の法廷では、検察官が冒頭陳述に合わせてパソコンを操作し、犯行当日の足取りをたどった地図や絞殺の方法を示したイラスト、犯行の動機につながる男性被告の借金の推移を示すグラフ、調書の写真などがスクリーンに次々と映し出された。スクリーンは、傍聴席から見て法廷内の左側に位置する検事席側に設置された。
 那覇地検の川見裕之次席検事は「裁判員裁判を念頭に起き、分かりやすい公判と立証の試みとして今回の事件を選んで実施した。犯行における時系列や場所などについて理解しやすくなるだろう。今後も事件を選び、見やすくする工夫を心掛けたい」と語った。
 裁判員制度は、裁判官3人と有権者から無作為抽出で選ばれた裁判員6人が、殺人や放火など重罪事件を見る。裁判員は裁判官とともに無罪有罪の判断から量刑まで、多数決で決める。原則的に辞退はできない。
 一方、内閣府が2月に実施した世論調査では国民の7割が「参加したくない」と答えるなど、その周知や理解にまだまだ課題を残している。

● 検察官の裁判員制度導入に対する準備は着々と進められている感じです。
2005/5/26

毎日新聞に次のような報道がありました。】
 暴行の罪で11日に有罪判決を受けた男が、目撃証人として札幌地裁での公判で法廷に立った女性に「偽証は残念」などとする手紙を直接送っていたことが12日、分かった。証言に立つ際に、女性は男からの報復を恐れ、自分の住所を知らせないよう札幌地検に対して要請しており、抗議を受けた同地検は不手際を認め、公判部長名の文書で女性に陳謝した。
 判決などによると、男は昨年7月、札幌市中央区の大通公園で、上半身裸で水遊びをしていた女児をカメラ付き携帯電話で撮影。注意した女児の母親の腹部を殴る暴行をした。証人の女性は、友人の女性と現場を目撃。友人とともに、法廷で証言した。この際「仕返しが怖いので住所が男に伝わらないようにしてほしい」と同地検に要請。法廷では、ついたてで男から顔を隠す配慮はされていた。
 その後、札幌拘置所にいた男から「あなたまで偽証するとは残念でした さようなら」と赤ペンで書かれた手紙が女性に届いた。女性は「なぜ住所が分かったのか」と同地検に抗議。同地検は「住所が伝わってしまい大変遺憾」と、文書で謝罪した。
 検察側証人の住所、氏名は弁護士側に開示するのが原則だが、99年に改正された刑事訴訟法では、弊害があるときは弁護士に配慮を求めることができると規定している。同地検によると、今回の件で公判担当検事が弁護士に、証人の住所を被告に知らせないよう配慮を求めたかどうか不明という。
 同地検の向井壮・次席検事は「このような事態になったことは誠に遺憾」とし、今後は弁護士に配慮を求めた際には内部文書を残すよう改善するという。
 男は捜査段階から無罪を主張していたが、札幌地裁は、男に懲役4月の実刑判決を言い渡した。男は拘留期間(9カ月)を算入し、服役を終えたとみなされ11日、釈放された。

● これまで、被害者の調書や証人の調書については、そのまま被告人に差し入れて打合せをしていましたが、これは、被告人の防御権から考えれば当然のことですが、今後は、弁護士としても、相当の工夫をして差し入れかつ回収することが必要になってくるようです。

2005/5/16

佐賀地裁で北方事件について無罪判決が出ました。
●北方事件とは
 1989年1月、佐賀県北方町の山林で女性3人の遺体が見つかり、佐賀県警は連続殺人と断定。被害者の同県武雄市の料亭従業員藤瀬澄子さん=当時(48)=は87年7月、同町の主婦中島清美さん=同(50)=は88年12月、同町の縫製工員吉野タツ代さん=同(37)=は発見2日前にそれぞれ行方不明になった。89年11月、別事件で拘置中の松江輝彦被告(42)が、県警の任意調べに対し、いったん犯行を認める上申書を書いたが否認に転じた。2002年6月、県警は松江被告を吉野さん殺害容疑で逮捕。ほか2件でも再逮捕した。藤瀬さん殺害の起訴は時効成立の約6時間前。

●東京新聞HPには無罪判決について次のとおり報道されています。
佐賀県北方町の山中で一九八九年、女性三人の他殺体が見つかった「北方事件」で、時効成立直前に逮捕、起訴され、殺人罪などに問われた元運転手松江輝彦被告(42)の判決公判が十日、佐賀地裁で開かれ、坂主勉裁判長は「犯人と推認できる証拠はなく、犯罪の証明がない」として無罪(求刑は一人殺害で無期懲役、二人殺害で死刑)を言い渡した。 
一審での死刑求刑に対する無罪判決は極めて異例。最高裁が具体的に把握している限りでは、再審無罪事件を除くと、一九六四年の「名張毒ぶどう酒事件」の津地裁判決以来、四十一年ぶりだという。佐賀地検は控訴の方向で検討する。

 判決はまず、吉野タツ代さん=当時(37)=事件について詳細に検討。検察側は、松江被告の唾液(だえき)が吉野さんの衣類から検出されたことや松江被告の車の目撃証言から、二人が当日会っていたと主張したが、坂主裁判長は「唾液は前日付着したとも考えられる。他人の車両の可能性も否定できない」と退けた。また「被告のアリバイ主張には裏付けがないが、それだけでは犯人と推認できない」と判断。「合理的な疑いを超えて、被告を犯人と認定することはできない」と結論付けた。
 坂主裁判長は、ほかの二人の被害者については「被告との接点は不明。検察官の主張は想像の域を出ない。犯人と裏付ける事情はない」と述べた。
 同事件では、吉野さんと交際していた松江被告が、別件で起訴拘置中の八九年、佐賀県警の任意調べに対し、三女性殺害を認める上申書を書いたが、後に否認に転じた。
 県警は証拠不足を理由に立件を断念。捜査は長期中断したが、時効成立目前の二〇〇二年、検察側は当時の上申書を立証の柱に起訴した。しかし、地裁は昨年九月、「任意性がない」として証拠不採用とした。
●関連した東京新聞HPの報道によると
 佐賀県警が別の事件で拘置中の松江さんを取り調べたのは、女性三人の遺体発見から約十カ月後。いったん三人殺害の自供を引き出したものの、その後、否認され捜査は頓挫。捜査は初めから松江さんが犯人との見込みで進んでいた。
 二〇〇二年六月、同県警は約十三年の空白を経て突然の逮捕に踏み切った。当時、未解決事件の時効成立が続き、事件をさばけない「さば(佐賀)県警」とやゆされていた。当時の幹部は「犯人を挙げて県警は生まれ変わる」と語っていた。
 公判では、ずさんな捜査の実態が判明。任意のはずだった上申書作成時の取り調べ時間は連日、午前零時を超えていた上、時間の記録を短く改ざん。被害者の体をふいたガーゼ片の紛失のほか、遺留品報告書の書き漏らし、DNA鑑定の記載ミスなど失態が相次いで明らかになった。

2005/5/11

南日本新聞に新手の融資保証金詐欺の手口が紹介されました。報道内容は次のとおりです。
資金繰りに追われる多重債務者や会社経営者らを狙って融資話を持ちかけ、保証金をだまし取る詐欺被害が急増している。「低金利ですぐに融資」といった甘い勧誘に飛びついたりせず、冷静な対応が必要だ。
 融資保証金詐欺は、おれおれ詐欺や架空請求詐欺など「振り込め詐欺」の巧妙化した手口とみられる。おれおれ詐欺や架空請求詐欺の被害が横ばいなのに対し、新手の融資保証金詐欺は昨年後半から鹿児島をはじめ全国で急増している。
 今年1月から3月にかけて全国で約17億円の被害が確認され、鹿児島県内でも同じ時期に前年同期の5倍に上る48件約5700万円の被害があった。県内の振り込め詐欺の被害額のうち融資保証金詐欺は約6割を占めている。
 ダイレクトメールで融資を持ちかけ、被害者が電話で問い合わせると指定した口座に保証金を振り込むように指示し、だまし取る。その後もあれこれ理由をつけて手数料を振り込ませる。不審に思った被害者が口座を確認したときには金は引き出されているという手口だ。
「無担保、保証人なし、低金利」が融資保証金詐欺の勧誘のうたい文句だが、うまい話は疑ってかかるべきだ。事前に現金を振り込ませるような融資話は詐欺とみた方が賢明だろう。決して金を振り込まず、警察などに相談した方がいい。
ダイレクトメールで勧誘していることから、多重債務者や企業経営者の名簿が使われている可能性が高い。被害に遭わないためには、なにより自衛意識を高めることが肝心だ。
金策に悩み、わらにもすがる思いの多重債務者や企業経営者らの弱みにつけ込んだ犯罪は卑劣としか言いようがない。しかも、犯行に使われる口座は他人名義や架空名義で、電話もプリペイド式携帯電話が使われており、これまでの振り込め詐欺同様、犯人の特定が困難なため捜査は難航している。警察の徹底した取り締まりを求めたい。
犯人グループは首都圏を拠点に活動しているとみられ、警察庁は、鹿児島県警など全国の警察から派遣された捜査員が首都圏で集中捜査する専従班を創設した。こうした専従班や、昨年末に施行された振込先に悪用される口座売買などを禁じる改正金融機関本人確認法を機能させ、摘発につなげてほしい。

2005/5/2